満月と暦とビーナスベルト
はじめに

満月の出とビーナスベルト (高度約1度から約10度まで1度刻み)
撮影情報 (10 件) ▼
西暦2026年01月03日 (旧暦・宣明暦11月15日) は, 西暦2024年12月15日 (旧暦・宣明暦11月15日) 以来となる, 教科書通りの十五夜満月を観察しました. 観察場所は大岡山キャンパス内です.
快晴で澄んだ空, 日の入り前に月が昇ったこと, ビーナスベルトと重なった点でも, 西暦2024年12月15日 (旧暦・宣明暦11月15日) と類似した条件となりました.
ビーナスベルトを観測
日没に伴いビーナスベルトが出現し, 月がその帯域を通過して地球影に没するまでの短時間の推移 が記録されました.

16:31:06 の東空 (満月の高度 2.1 度, 写真の方向補正済み)
撮影情報 (1 件) ▼
16:31:06 の観測では, ビーナスベルトは見られませんでした.

16:40:10 の東空 (満月の高度 3.6 度, 写真の方向補正済み)
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16:40:10 の観測で, 日没とほぼ同時に, 低空の高度約 3.5 度以下の領域に紺色の地球影と赤紫色 のビーナスベルトが出現しました.

16:46:10 の東空 (満月の高度 4.5 度, 写真の方向補正済み)
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月はこの帯の中に入り, 16:49:05 (高度 5.0 度) にはビーナスベルトの紫と地球影の紺色の境界 付近に位置しました. なお, 16:46:10 秒 (高度 4.5 度) の写真はその直前の様子です.

16:55:58 の東空 (満月の高度 6.1 度, 写真の方向補正済み)
撮影情報 (1 件) ▼
しかし, この現象は短命であり, 16:55:58 (高度 6.1 度) には月が完全に地球影の紺色領域に入ると同時に, ビーナスベルト自体も曖昧になり消失しました.
観測されたビーナスベルトの継続時間は出現から消失まで約 15 分間でした.

17:02:05 の東空 (満月の高度 7.2 度, 写真の方向補正済み)
撮影情報 (1 件) ▼
その後, 空は暗い群青色へと沈み, 月は金色から白色へと明るさを増していきました.
結果として,
日没の段階で月が高度 0 度以上 3.5 度以下の位置にあり, かつ日没から 15 分以内に月が障害物から出現する.
という条件の下で, 月とビーナスベルトが重なりやすいことが分かりました.
太陰太陽暦上の満月の暦日
太陰太陽暦の15日の宵の口が満月になるのは, 西暦2026年では01月03日のみです.
西暦2026年03月03日 (旧暦01月15日) や西暦2026年05月31日 (旧暦04月15日) など他に十五夜満月があるのではないかという指摘もあるかと思われます. 現代天文学に基づく旧暦の上では確かに正しいですが, 宣明暦では旧暦と異なる日付を取ることがあります.
宣明暦では, 新月が18時以降の場合, 暦上の朔日を翌日に回す進朔と言う処理があります. このため, 宣明暦の暦日は旧暦より数字が小さくなることがあります. 新月を含む暦日を朔日とする旧暦と異なる思想であり, 現代天体暦からの計算誤差を差し引いても差異が生じます.
西暦2026年において, 満月の暦日を宣明暦で表した結果は以下の通りです.
| 新暦月日 | 旧暦 | 宣明暦 | 時間帯 |
|---|---|---|---|
| 01月03日 | 11月15日 | 11月15日 | 宵 |
| 02月02日 | 12月15日 | 12月15日 | 午前 |
| 03月03日 | 01月15日 | 01月14日 | 宵 |
| 04月02日 | 02月15日 | 02月15日 | 午前 |
| 05月02日 | 03月16日 | 03月15日 | 未明 |
| 05月31日 | 04月15日 | 04月15日 | 午後 |
| 06月30日 | 05月16日 | 05月16日 | 午前 |
| 07月29日 | 06月16日 | 06月16日 | 宵 |
| 08月28日 | 07月16日 | 07月16日 | 午後 |
| 09月27日 | 08月17日 | 08月17日 | 未明 |
| 10月26日 | 09月16日 | 09月16日 | 午後 |
| 11月24日 | 10月16日 | 10月16日 | 宵 |
| 12月24日 | 11月16日 | 11月16日 | 午前 |
旧暦も宣明暦も15日で, 尚且つ宵の満月は最初の01月03日のみだったことが分かります.
03月03日は宣明暦が進朔により宣明暦14日に繰り上がり, 05月31日は夕方前 (17:45:12) の満月で条件から外れました.
なお, 西暦2024年は暦上の日付が旧暦15日となった02月24日 (旧暦01月), 10月17日 (旧暦09月), 12月15日 (旧暦11月) はいずれも宣明暦の暦日とも一致し, 宵の口に満月を迎えました. 一方で西暦2025年は, 旧暦又は宣明暦15日の宵の満月でも, 旧暦と宣明暦が異なる日付になってしまい, 全く現れませんでした.
おわりに
本記事の公開は観測から8か月後となりました. わずか8ヶ月で当時が昔と思える程度に周囲も大きく変わってしまいましたが, 日々の感謝を忘れぬよう生活したいです.
参考文献 (原語版)▼
- 日本暦日原典 第五版内田 正男公開・更新日: 2023-11-25アクセス日: 2026-05-04



