秋の二日月は見づらい
はじめに

夕方に撮影できた, 大変淡い二日月
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長かった秋雨も明け, 西暦2026年10月10日から11日頃を中心に, 5日程度安定した晴天が続きました. 東京科学大学では丁度その時期に工大祭 (こうだいさい / Kōdaisai) が開催され, 準備から片づけまでの全日程で晴天に恵まれました. 今回の工大祭に携わった方に感謝を申し上げます.
2023年の工大祭は月食観察が中止, 2024年は不参加, 2025年は点検により一部中止で苦い思いをしましたが, 2026年は準備片付け含めて充実したものとなりました.
本題の観月ですが, 西暦2026年10月12日 (旧暦・宣明暦09月02日) に, 東京科学大学で二日月を撮影しました. 工大祭の片付けが終わった当日の夕方でした.
輝面率は3%を超え, 細い月の記録更新からは程遠いものとなりました. それでも, 秋季に二日月を観測したのは人生で初となりました.
観測条件
まずは気象です. 事前には曇り予報もあったようですが, 実際には低空の薄雲程度で済みました. 移動性高気圧の影響が大きく, 5日程度は晴天でした. 移動性高気圧が5日以上覆い続けたのは西暦2026年05月17日頃以来で, 奇しくもいずれも新月期と重なりました.
続いて月の見え方については, 本部 勲夫 (もとべ いさお) 氏の西暦2024年11月03日の三日月の報告から, 肉眼で見えない・モニターで探す前提で臨みました.
ただし, 月自体は細くなかったため, 事前の位置合わせは行わずその場で探す方針を取りました.

夕方に撮影できた, 大変淡い二日月 (強調版, 中央の円はアーティファクト, 中央右やや上に月)
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その結果, 肉眼やモニターでは見つからず, その場で写真を拡大して微かに写った月が分かる程度となりました.
秋の二日月の観測は大変厳しい

四季と二日月の見え方の違い
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日没後の西の空では, 秋は春に比べ, 黄道が地平線に対して寝ているため, 月は立って見えます. 黄道は天空上の太陽の通り道で, 月の通り道である白道に近いです. 黄道が寝ていると, 新月直後の月は高度が低くなり, 月が早く沈みます.
同じ新月翌日の二日月であっても, 黄道が立っている春 (2026/05/18) や, 晴れていれば標準的な冬 (2025/01/01) や夏 (2025/07/26) に比べ, 秋 (2026/10/12) は月が立って超低空となり、日没後の薄明に埋もれて観測が難しくなります. 月齢で比較すれば, 最も見づらい秋パターンに撮影したものが最大でした.
西暦2025年11月22日 (旧暦・宣明暦10月03日) の三日月ですら撮影が容易ではなく, 二日月はそれ以上に困難なものとなりました.
撮影時で月と地球の距離は平均より遠かったため, ケプラーの第二法則で, 新月からの経過時間のわりに太陽からの離角を稼げませんでした.
黄道より南に白道があったため, 平均的な秋の新月後の月よりもさらに不利な条件でした.
ただし, 直前の新月が幸いにも10月11日の00時台だったため, 新月からの経過時間を大きく稼ぎ, 月没時には月齢01.6日以上と大きな値でした. 今回の撮影が成功したのは晴天及びこの一点に尽きると考えられます.
おわりに
秋の二日月の観測は, ある程度太いのにも関わらず肉眼で見えないという奇妙な体験となりました.
Moon Logbook には Sky も登場しましたが, 低空の細い月と空のコントラストの様子はいまだにうまく再現できていません. 西空のフォッサマグナ地域で散乱光の遮蔽が起こるため, 理想的な球面・晴天よりは有利な状況となったことも考慮すべきかもしれません.



