月の出前の月とパール富士
はじめに

南空の十五夜月
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西暦2026年04月02日 (旧暦・宣明暦02月15日) の夜は, 月の出頃, 月の入り頃を重点的に十五夜月の観測を行いました.
旧暦 (宣明暦ではありません) の十五夜月が関東で観測できたのは西暦2026年02月02日以来2か月ぶりとなります. 西暦2026年03月03日の旧暦の十五夜月は皆既月食でしたが, 関東では全域で曇りや雨・雪となったため, 本州を離れての観測となりました. 西暦2026年04月02日の夜は先月とは打って変わって晴天となり, 近場で一晩中丸い月を楽しめました.
気象条件
温帯低気圧が去って移動性高気圧に覆われると, 低空まですっきりと晴れやすくなります. それでも羽田空港では低空に雲がありましたが, 低空に雲の隙間があること自体が幸運です.
花粉の影響を受けやすい春としては透明度の高い晴天となりました. 晴天になったのは当日午後からで, 花粉の飛散が通常の晴天日よりも抑えられたと考えられます.
羽田空港では夕方18時から19時頃は北西風の影響で, 寒く感じるとともに殆どの写真がぶれました. 一時的に冬型の気圧配置になったと考えられます.
月の出頃は月も輪郭がはっきりしていない状態でした. 温帯低気圧が去ったことによって晴天になっても, すぐには気流が安定しづらいです.
月の出前に見えた月?!

18時20分06秒に見えた, 高度約-0.1度の月
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月の出を観測するために羽田空港 (+35.550295, +139.789579) に向かいました. 展望台の選定に時間がかかりましたが, 18時20分に月が顔を出すまでに間に合いました.
月の出が東京で18時21分でしたから, 18時20分06秒の段階で月の高さは約-0.1度となりました. 西暦2024年07月21日や西暦2026年03月03日など, 高度1度未満の月を見た経験も殆ど無い中, 高度0度未満の月を人生で初めて観測することができました.
一聞すると矛盾しているように聞こえますが, 国立天文台の基準による正当な理由があります. 月の出時刻は, 月が顔を出す時刻ではなく, 月の中央が水平線から顔を出す時刻と定義されているためです. 十五夜月ならば月の表側ほぼ全面が見えますから, 月の出時刻には理論上半分見えるはずです.
理論上は高度0度未満の月を見ることはできますが, 実測できる機会は気象・地理条件により非常に限られます. 海岸沿い且つ低空まですっきり晴れることが必須です.
パール富士

富士山の大内院に差し掛かった十五夜月
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夜半過ぎ, 日付が変わって西暦2026年04月03日未明は, 月の入りとビーナスベルトの共演を観測するために大学に向かいました. しかし, あろうことか富士山に阻まれ, 観測は叶いませんでした.
それでも, 思わぬ収穫がありました. 月が富士山の大内院に見える現象, パール富士です. パール富士は貴重な現象であり, 針を通すような狭い地域で, 移動性高気圧などで晴天となった時間にしか見られません. 当然ながら人生初の経験となりました.
風の影響が少なく穏やかな朝に, はっきりした輪郭を保ちながら, ゆっくり月が沈んでいきました.
おわりに
今回の十五夜月は, 月食などの顕著な天文現象は付随せず, 天文学的には地味なものでした. しかしながら, 月の出時刻前の月, パール富士という非常に幸運且つ人生初の光景を1晩にして2種類も見ることができました.
天文系のガイドに紹介されない条件のお月様を捕獲しに行くのも醍醐味かもしれません.
(カメラ内部時計 - 日本標準時 = +24秒)
参考文献 (原語版)▼
- こよみ用語解説 太陽や月などの運動 - 国立天文台暦計算室国立天文台公開・更新日: 1994アクセス日: 2026-04-05
- 日本暦日原典 第五版内田 正男公開・更新日: 2023-11-25アクセス日: 2026-05-04

